LAKER LABO / つなぎ部とはじめる、暮らしのAI · 第1話 / 全5話

名前を聞いたことがあるだけでも大丈夫。「何ができるの?」を、一緒にほどいていきましょう。

AIとChatGPTの違いを、難しい言葉をなるべく使わずに紹介します。雨の日の遊びを考える短いやり取りを見ながら、頼めること、間違うこと、聞き直してよいことを知る最初の一話です。

つなぎ部は、島で人の困りごとを手伝う高校生5人の物語です。この連載の会話と返事の例は、使い方を説明するための作り話です。AIの返事は例と同じになるとは限りません。現在のサービスをもとに説明しており、画面・機能・利用条件は変わる場合があります。実際に使う前に、第2話の年齢や安全の注意も確認してください。

部室の机で、小春が空き箱を並べています。工作に使えそうな箱ばかり。でも、何を作るかはまだ決まっていません。

榎本 小春

この箱で何か作れそうなんだけどなあ。そうだ、AIに聞いてみる?

瀬尾 結

聞いてみたい。でも、AIって……どこにいるの?

朝倉 灯里

私も最初、ロボットの顔が浮かんだ!

白石 凪

画面で質問できるものもあるよ。今日はChatGPTから見てみよう。

「AI」という言葉を聞く機会が増えました。便利そうだけれど、何に使うのか分からない。うまく質問できる気もしない。そう感じるところから始めて大丈夫です。

この連載は、AIを一度も使ったことがない人のための全5話です。読むだけの人も、スマートフォンを手に試す人も、自分のペースでどうぞ。まずは、画面の向こうで何ができるのかを見ていきましょう。

1. AIは技術の名前。ChatGPTは、使うサービスの名前

AIは「エーアイ」と読み、日本語では「人工知能」と呼ばれます。たくさんの情報から特徴や決まりを見つけ、文章を作ったり、写真に写った物を見分けたりするコンピューターの技術です。人間のような体がなくても、AIを使うことはできます。

たとえば、迷惑そうなメールを分ける仕組みや、写真の中から猫を見つける仕組みなどにも、AIが使われています。AIと呼ばれるものが、みんな同じ仕事をするわけではありません。

瀬尾 結

AIにも、いろいろな使い道があるんだね。

白石 凪

うん。その中には、文章や絵を新しく作るものもある。

榎本 小春

それが、さっき聞こうとしていたやつ?

文章や画像などを作るAIを「生成AI(せいせいエーアイ)」といいます。「生成」は、作り出すという意味です。ChatGPT(チャットジーピーティー)は、この生成AIを使って、会話するように質問やお願いができるサービスです。OpenAIという会社が提供しています。

2. たとえば「雨の日、家で何をしよう?」と聞ける

ChatGPTの画面には、文字を入れる場所があります。そこへお願いを書いて送ると、返事が文章で返ってきます。まずは、こんなやり取りを思い浮かべてください。まだ画面を開かなくても大丈夫です。

こちらから送る言葉

雨の日に、家の中でできる遊びを3つ考えてください。

返事のイメージ。説明のために作った例です

1. 紙に描いた絵で、しりとりをする。
2. 身近な物を並べて、小さなお店ごっこをする。
3. 家の中で「丸い物」を探す。

ここで「お店ごっこは気分と違うな」と思ったら、そのまま伝えてかまいません。最初のお願いを書き直すより、続けて話しかけるつもりで、次の言葉を送ってみます。

続けて送る言葉

一人で、紙と鉛筆だけでできる遊びにしてください。

榎本 小春

最初から、全部説明しなくていいんだ!

瀬尾 結

返事を見てから「そうじゃなくて」と言えるんだね。

白石 凪

「もっと短く」「一つずつ教えて」でもいいよ。

このように、返事を見ながらお願いを足せるのが、使いやすいところの一つです。ここに載せた通りの返事が出るとは限りません。違う案が出たら、自分に合うものがあるか読んでみましょう。

3. すらすら話しても、何でも知っているわけではない

ChatGPTは、たくさんの文章などから学んだ言葉のつながりをもとに、返事を組み立てます。自然な言葉で答えますが、人が目の前の出来事を見たり、実際に経験したりして話すのとは違います。

そのため、間違ったことを、はっきりした口調で答える場合があります。実在しないお店や本を紹介したり、古い営業時間を伝えたりすることもあります。文章が上手でも、内容が正しいとは限らないのです。

朝倉 灯里

「このお店は今日開いています」って言われても、確かめた方がいい?

三崎 律

行ってから閉まっていたら困るもんね。お店の案内を見よう。

瀬尾 結

遊びの案なら選べるけど、開いているかは別に調べるんだね。

「どこに書いてあるの?」と聞くこともできます。ただし、教えてもらったページや本そのものが間違っていることもあります。大事な情報は、お店や施設の公式サイトなど、もとの案内を自分でも開いて確認します。

4. 毎日の「ちょっと困った」に、何度でも聞き直せる

何かを書くとき、最初の一行がなかなか出ないことはありませんか。お礼の言葉、持ち物のメモ、休日の過ごし方。ChatGPTは、その出だしや候補を考える手伝いに使えます。

  • 「来てくれてありがとう」を、少し丁寧な言い方にしてもらう。
  • 出かける前の持ち物を、候補として挙げてもらう。
  • 説明に出てきた難しい言葉を、身近な例で言い直してもらう。

出てきた案を見て、「自分ならこう言う」「これならできそう」と選びます。気に入らなければ、別の案を頼んでも大丈夫。すぐに答えを決めず、考える途中で使えるところに便利さがあります。

瀬尾 結

分からなかったら、もう一度聞いていいんだね。

白石 凪

「さっきの説明では分からなかった」で大丈夫。

朝倉 灯里

気をつかって、分かったふりをしなくていいのは助かる!

ただ、毎回AIを使う必要はありません。自分で書く方が早い日も、人に相談したい日もあります。役に立ちそうなときに使う。そんな付き合い方で十分です。

5. ほかのAIと比べるのは、慣れてからでも大丈夫

ChatGPTのほかにも、Gemini、Claude、Copilotなど、会話で使えるAIサービスがあります。名前を一度に覚えたり、全部に登録したりする必要はありません。

できること、料金、使える回数、入力した情報の扱いは、サービスや契約によって違います。時期によっても変わるので、「このAIがいつでも一番」と決めるより、自分の使いたい場面に合うかを見ていきましょう。

三崎 律

比べるなら、何を見ればいい?

瀬尾 結

説明が読みやすいか、聞き直しやすいか、かな。

白石 凪

費用や、入力した情報の扱いも。最初は一つずつでいいよ。

もし比べたくなったら、「紙と鉛筆だけでできる遊びを3つ」のように、個人情報の入らない同じお願いで試します。返事の好みは人それぞれですし、一度の返事だけですべての良し悪しが決まるわけでもありません。

6. 今日の一歩は「聞いてみたいこと」を一つ決める

初めて使うなら、自分で「これは良さそう」「これは違う」と判断できる、小さなお願いがおすすめです。遊びの案や短い言葉の言い換えなら、合わない返事が来ても直しやすくなります。

病気の判断、薬の使い方、大きなお金のことなどは、AIの返事だけで決めないでください。必要なときには、医療機関やその分野の専門家へ相談します。また、質問するときに、本名や住所、パスワードを教える必要はありません。

榎本 小春

私は、空き箱で何が作れるか聞きたい!

瀬尾 結

私は「短く説明して」から試してみようかな。

三崎 律

じゃあ次は、画面を開くところからだね。

次の第2話では、公式の入口を開き、文字を一つ送るところまで一緒に進みます。使う年齢の条件や、送らない方がよい情報も、そこで確認しましょう。